何かが終わって弾ける
車を直人君が運転中、助手席にくーさん、後部座席に私。
くーさんが席を後ろに倒して、ヘッドレストに腕を回した時、
ヘッドレストにしがみついていた私の手と、くーさんの手が触れる。
手をどけなきゃ。と思った。
瞬間、手をグッと掴まれる。
あったかいくーさんの手。
直人君より大きい手なのに、指は細くてどこか女性っぽい感じ。
離してくれない。
直人君の見えない位置で、繋ぐ手と手。
ドキドキしてしまうよ。
どうしようもない。
しばらく、手を繋いでいた。
ドキドキして、手に汗とかかいちゃって、離そうとしても
くーさんは手を握っていて離せない。
そして、しばらくしたあと、
交差点で直人君が振り向きそうになったとき、
手は不自然に離れた。
私は、顔が熱くなってしまって、頭も混乱だった。
くーさんの表情は、見えない。
すべての始まりはいつだかわからない。
きっとでも、お互いのきっかけはこの時だったのかもしれない。